BICHEMグループ グローバルビジネス
8月11日、中国の炭酸リチウム先物は8%急騰し、1トンあたり8万1000元に達し、6ヶ月ぶりの高値を付けた。直接のきっかけは、江西省にあるCATLの建霞窩雲母鉱山の採掘停止だった。同鉱山の採掘許可は8月9日に失効した。同鉱山は中国の雲母系リチウム生産量の約20%を占めている。今回の採掘停止により、短期的には数千トンの供給不足が生じると予想されている。また、地域全体で規制強化が進み、業界のコンプライアンス遵守がさらに厳格化されるとの見方が強まっている。
世界市場の反応
この混乱は国内外の市場に急速に波及した。中国のリチウム先物は一日の取引制限に達した一方、天斉リチウムを含む主要A株リチウム銘柄は急伸した。海外では、香港の贛鋒リチウムが18%、オーストラリアの獅子城資源が25%上昇し、供給懸念と空売りの動きの両方を反映した。中国は2024年に世界のリチウムの60%を消費するため、国内の供給変動は世界の価格に直接影響を与える。
短期的な供給逼迫と長期的な供給
供給不足は第3四半期のEVバッテリー需要のピークと重なり、トレーダーは買いだめに動いている。上海のバッテリーグレードリチウムのスポット価格は2週間で12%上昇し、1トンあたり7万1900元となった。しかし、長期的なファンダメンタルズは依然として安定している。世界のリチウム生産能力は2025年にLCEベースで200万トンを超えると予測されており、国内在庫がバッファーとして機能する。アナリストは、この価格上昇は主に「季節性とセンチメントによるもの」だと強調している。
業界横断的な影響
この急騰は、再生可能エネルギーセクターにおける資本ローテーションと資源規制強化への期待を背景に、ポリシリコン、工業用シリコン、および一部の石炭製品にも影響を与えました。しかし、根底にある需給ギャップは依然として存在するため、これらの影響は一時的なものとなる可能性が高いでしょう。
頭を見る
主要な変数としては、ライセンス更新のスケジュール、南米の塩水生産者からの代替供給、そして環境コンプライアンス費用の上昇などが挙げられ、これらは価格重視の競争から品質重視の競争へと移行する可能性があります。投資家は、短期的な上昇余地と、急激な価格調整やセクター間の乖離といったリスクを比較検討する必要があります。多角化と国際展開を行っている企業は、ボラティリティを乗り切る上で有利な立場にあります。



